会長挨拶
佐和 貞治
(京都府立医科大学附属病院)
2023年度第69回関西支部学術集会を主催させていただきます、京都府立医科大学の佐和です。2023年9月2日(土)に、大阪国際会議場(グランキューブ大阪、大阪市北区中之島5丁目3-51)で開催いたします。この第69回は、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響でやむなく中止に至りました2020年66回関西支部学術集会の仕切り直し案としての3年後の開催実施となっております。テーマは、「安心・安全な医療提供のために」です。麻酔科医は、手術中の麻酔のみならず、その技術ベースに手術前診療や術後疼痛管理、集中治療・救急医療、ペインクリニック・緩和医療など、急性期および慢性期に及ぶ多様で幅広い診療で活躍するようになりました。特に、私自身も麻酔科医のバックグラウンドを基礎にして、近年、病院全体や本邦の医療安全に関する学術などに携わることが多くなりました。内科医や外科医が、それぞれにおいて循環器、消化器、呼吸器などと特定の領域に特化した専門性を高めることで高度な縦断的な医療を臨床の現場で提供していく中で、麻酔科医の役割は総合的に患者を診断して安心・安全な医療を提供し、横断的に活躍する医師として、日々増していると感じています。医療事故調査制度や高難度新規医療技術導入などが関わる、本邦における昨今の医療安全制度の変革の中で、主に周術期医療において、患者の安全を第一に考える姿勢を持ち活躍してきた麻酔科医としての感性が、医療施設における医療安全管理にはたいへん重要です。企画としては、このような観点で、学術集会を計画いたしたいと思っております。また、修練中にある若い麻酔科医にとって、日々の臨床症例を振り返り、安心・安全な医療の提供について考察を深める機会としての学術集会をたいへん貴重であると考えています。学術集会の詳細については、今後、皆さまのご意見をもとに、これからの検討となりますが、皆さまにとって有意義な学会にしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。