会長挨拶
テーマ:新時代の麻酔科医
田中 克哉
(徳島大学病院麻酔科)
中国・四国支部第60回学術集会の会長として一言ご挨拶させていただきます。コロナ禍で支部学術集会がこのところWEB開催となっていましたが、2023年は現地開催となっています。今回のメインテーマは“新時代の麻酔科医”といたしました。
コロナ禍で世の中はずいぶんと変わってしまいました。会社員はテレワークも盛んに行われるようになりましたが、我々麻酔科医はテレワークとはなりません。しかし、いろいろな学会や会議、学生の講義などはWEBとなり、いろいろ良い部分もあることがわかりました。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行となった2023年の支部学術集会ではこのような新たな時代に突入した近未来の麻酔科医の果たすべき役割などを考えるような学会になればと考えています。
新しい時代になるのは、コロナだけではありません。2024年には医師の働き方改革が始まります。それに伴い特定行為研修を修了した看護師が手術室で働くようになりました。今後さらに増加するでしょう。一方で2025年には団塊の世代が75歳以上の高齢化社会に突入します。今後、高齢者も含めた手術数はまだ増加していくでしょう。私たちは安全でかつ効率的な周術期管理を実践することが求められます。多職種を巻き込んだチームで動き、麻酔科医はそのチームリーダとならねばなりません。さらに、手術室以外の集中治療、ペイン、緩和、救急といった分野にも麻酔科医のニーズはあり、これまでも、そしてこれからも手術室から麻酔科医がでて活躍する必要があります。これら我々に直面している難題について考えることができる集会になれば幸いです。多くの会員の先生方にご参加いただき、有意義な集会にしたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。